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知っておくと便利!Wi-Fi環境構築はじめの1歩
「犬も歩けば棒にあたる」ということわざは有名ですが、
今や、「街を歩けばWi-Fiにあたる」というくらいに、商業施設、オフィスビル、屋外など、ありとあらゆる場所でWi-Fiの電波が飛び交っています。
ノートパソコンやタブレットをメインに導入している企業では、オフィス内でも勿論Wi-Fi環境がしっかり整備されていますし、今や重要なビジネスインフラの一部です。
そこで、Wi-Fi環境を新たに構築する、または既存環境のリプレースを検討されている方の為に、Wi-Fi環境構築の基本をおさえておきたいと思います。
まずはしっかり要件固め!
「とりあえず最新のWi-Fi設備を入れておけば、しばらくは大丈夫だろう」というざっくりとしたスタートを切ると、実態に見合わない過剰な設備投資となってしまったり、上申段階でとん挫したり、いざ導入となっても運用面の課題に直面したりと、目も当てられないことに…。
そこで、検討の開始時は以下をポイントにしっかり要件を固めていきましょう。
規模(利用者数 / 接続端末数)
利用者数も目安の1つですが、接続端末数は必須要件です。
範囲
可用性を求めるエリアとそうでないエリアを事前に決めておくことで、効率的・効果的なアクセスポイントの配置が可能となります。
セキュリティ
認証方式などのセキュリティ要件によっては、機種によって対応できるものとそうでないものがあります。セキュリティのレベルや範囲を事前にしっかり決めておきましょう。
接続するデバイスの種類
接続するデバイスが導入予定のWi-Fi規格に対応しているかの確認も必須です。
将来の拡張計画
物理的ポート数や接続端末数等、積算を見誤ると早々に拡張の限界を迎えることも…。将来の拡張計画をしっかり事前に見据えておきましょう。
運用管理のポリシー
自社で運用するのであれば、社内の運用体制や各ベンダーから提供されている管理コンソールの仕様等、運用に係る工数や運用方法をしっかり事前に想定しておくことが大切です。
故障復旧対応時のポリシー
メーカーのオンサイト保守を契約するか、予備在庫をかかえておくかによっては、イニシャルコスト、ランニングコスト、復旧までのリードタイムに大きな差が出てきます。
最適な機器を選択しよう!
要件がしっかり固まったら具体的な機器選定をはじめましょう。
一方Wi-Fiも日進月歩で進化しており、しっかり仕様を理解することも大切です。
ここでは、機器選定における基礎的な用語を解説しておきたいと思います。
ストリーム数
搭載されているアンテナの本数を表します。「4×4」と記載ある場合には、送信アンテナ数が4本、受信アンテナ数が4本ということになります。勿論、アンテナ数が多い方が送信・受信速度はより速いことになります。
SSID数
SIDとは、アクセスポイントを識別するための名前となります。
SSID毎にセキュリティ方式を分けることができるため、複数のSSIDを設定できる際には、利用するグループ毎の属性や用途に応じて異なるセキュリティレベルで運用することができます。(例えば、従業員用のSSIDと来客者用のSSID)
最大クライアント数
同時に接続できる端末数の上限となります。ただし、記載の数字はあくまでカタログスペック上の値ですので、実際この値をベースに設計することは推奨しませんし、パフォーマンスも出ませんのでご注意ください。
Wi-Fi規格
Wi-Fiの規格はたくさんありますが、いざ導入となると、どの規格を選択すれば良いのか悩みますよね。
当然、選ぶ規格によって利用できる周波数帯や最大通信速度が変わりますので、通信品質に影響する大切な選択となります。 最新の規格が一番速いのは言うまでもないですが、接続するデバイスが規格に対応していなければ、そのデバイスが対応する規格止まりでの通信となりますので、そこはお気をつけください。
周波数帯
良く目にする値に「2.4GHz」「5GHz」などがあると思います。個々特性がありますので簡単にご紹介します。
- 2.4GHz
2.4GHzは壁や天井などの障害物の影響を受けにくい周波数帯です。
ただし、電子レンジやBluetooth、コードレス電話などでも利用される周波数帯ですので、これらの機器が存在する際には電波干渉により通信への影響が出ることもあります。
- 5GHz
5GHzは通信速度が速いのが特徴です。ただし、障害物に弱いという弱点もあるため、壁等の障害物が多い環境では2.4GHzの方が快適に使えます。また、航空管制レーダーや気象レーダーの周波数と同一のため、ロケーションによっては電波干渉により通信が途切れる可能性もあります。
- 6GHz
6GHzは高速通信が可能なチャンネル数が多く割り当てられており、複数の機器を利用しても高速で安定した通信が可能となります。また、家電や航空/気象レーダーとの電波干渉もないことも魅力です。ただし、5GHz同様に障害物に弱く、電波が遠くに飛びにくい性質があります。
チャンネル
周波数帯を細かく複数に分割し、電波干渉を防止する仕組みをチャンネルと言います。
例えば、2.4GHzでは1~13チャンネルまであり、1チャンネルあたり5MHzずつ周波数がずれています。
現在のアクセスポイントはほとんどが自動で最適なチャンネルを選択しているため、特に手動で設定する必要はありませんが、電波干渉が気になる際にはチャンネルを変更することにより通信が安定することもあります。
運用後の注意点
いざ導入が完了し、さぁ快適なWi-Fi環境でバリバリ仕事しよう!と思ったのも束の間、なぜか繋がりにくい…、接続が途切れる…、速度が遅い…とトラブルが続出。
目に見える有線なら切り分けも容易ですが、相手は目に見えない無線…。
下記をポイントに改めて確認をしてみましょう。
確認ポイント
アクセスポイントの位置や障害物
当然ですが電波はアクセスポイントを起点に放射状に拡がっていきます。床置きで物の陰に隠れていたり、壁で死角になるスペースに設置すると、本来想定していた範囲に電波が飛んでいないこともあります。また、壁面の構造によってはより電波を透過しづらいものもあります。家電の位置
既にご説明のとおり、電子レンジが近くにある場合には、電子レンジを起動するタイミングで電波干渉が発生していることが想定されます。アクセスポイントの密集
利用頻度が高いスペースのため良かれと思いアクセスポイントを多めに設置したことにより、逆にアクセスポイント同士で電波干渉を起こしていることもあります。
改善策
アクセスポイントの位置を変える
ユーザから視認性の高い壁面上部や天井に設置することで改善が期待できます。
壁面の構造が問題の場合には、アクセスポイントを追加する等の対策が必要です。周波数帯を変える
環境に応じた最適な周波数帯を選択することでも改善は期待できます。
特に家電による電波干渉を疑う場合には、5GHz帯の利用を推奨します。(ただし障害物が多いスペースには不向きですのでご注意を)チャンネルを変更する
電波干渉が明らかな際には別のチャンネルに接続することで干渉を防ぐことができます。
ヒートマップを活用する
現地サーベイによるヒートマップの作成で、電波の拡がり方を可視化することができ、アクセスポイントの再配置等には有効な情報となります。
まとめ
今回は、導入前の準備から基礎的な用語、導入後の注意点までのざっくりとした流れをご説明しましたが、一番大切なのはやはり導入後ストレスなくユーザにご利用いただけること。ですので、検討初期段階から導入までの一番大変なところは、是非弊社にお手伝いさせてください!
周辺でもWi-Fi環境のことでお悩みの方がいらっしゃいましたら、是非この記事を共有いただけると嬉しいです。
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担当:津田、佐野
WRITER
芝生と雪斜面大好き ネットワークコンサルティングチーム
佐野
お読みいただきありがとうございました。皆さんに良い電波が飛びますように~
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